2020年8月19日(水)のNHKあさイチでは、「あなたの最強の味方”集中力”SP」と題して、どうやったら集中力を高められるのかについて、紹介されました。
なかなか勉強がはかどらない子どもを見て、不安になったり、集中力がとぎれて家事がはかどらなかったり、日常生活の中で抱える「集中力が続かない悩み」についてまとめてみました。
集中力をアップさせて効率的に仕事をこなすには?
集中力がないとこんなことが・・・
- やることがたくさんあるのに、ちっともはかどらない
- スーパーに買い物に行ったけれど、ほかのことに気をとられて必要なものを買い忘れた
短時間にいろいろなことを同時進行しなければならない家事はけっこうハード。
集中力を高めるにはテクニックがあったのです。
ハーバード大学の研究によると、集中力のピークは43歳。集中力を維持するワザを身に着けて、効率的に仕事をこなしましょう!
今、私たちの日常はコロナの不安、ストレスで脳に負荷がかかり、うっかりミスが増えやすい状態になっています。
うっかりミスを減らすには、ワーキングメモリを整理することが大切です!
ワーキングメモリを整理する
ワーキングメモリは作業台のようなもので、やることがたくさんのっかっている状態です。この作業台が散らかっていると集中できません。
早稲田大学枝川義邦教授によると、ワーキングメモリを最大限に活用するためには、一度リラックスするとよいそうです。
3分間目をつぶってリラックス
情報の8割は目から入ってくるので、目をつぶると情報をシャットアウトしてワーキングメモリの整理ができるのです。
3分間が難しくても、1分でも目をつぶるとよいです。
やるべきことを”見える化”する
ワーキングメモリをうまく使うには、やるべきことを見える化することが必要です。
やることリストをうまく活用することで効率化できるのです。
やることリストの作り方
1.リストは1つにまとめる
バラバラにメモすると、どこに書いたか思い出すときにワーキングメモリを使ってしまいます。
決まった場所1つにまとめましょう。
2.時間の流れに沿って書く
優先順位の高いものからではなく、時間の流れで書いていきます。
家事は、1日の時間の流れの中で作業するもの。朝、布団を干す、昼、電話をする、夕方、買い物など、時間の流れでやることを整理していきます。
3.できるだけ具体的に書く
仕事とプライベートは分けません。
タスクを仕事とプライベートに分けてしまうと、どちらを優先してやるかという判断にもワーキングメモリを使うことになるので、効率が悪いですね。
うっかりミスをなくすには?
私たちの脳は、見えているものをすべて見ているわけではありません。情報をすべて処理しているわけではなく、ココだと思ったところを集中して処理しているのです。
「そういえば、カギかけたっけ?」ということ、よくありますよね。
カギをかけたことを見ているようで、よく見ていないことが多いのです。
これを解決するには、脳の特徴を利用して、
指さし確認
すると良いのです。
カギや、エアコンのボタンなど狭い範囲に集中して確認することで、うっかりをなくせますね。
公立諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀さんによると
集中する=そこをしっかり見る
ということ。受験生がマーカーで大事なところに線を引くのも、大事なところをしっかり見るのに必要なんですね。
子どもの集中力・やる気を引き出すには?
なかなか勉強がはかどらない、机に向かってもすぐあきてしまう、これで大丈夫なの?と不安になってしまう保護者の方も多いと思います。
でも、こどもの集中力が続くのははせいぜい数分程度、大人でも15分ぐらい。集中力が切れるのは当たり前のことなんです。
教育アドバイザーの小川大介さんによると、集中しやすい環境を作ってあげることが大切だそう。そこで、勉強机の向きに注目します。
勉強机の向き
壁向き:周りからの情報をシャットアウトしたいタイプのお子さんは壁向きがよい
自分で目標を立てられる、マイペースな子
食卓:さみしがり屋の子
家族の姿が見えているほうがいい
学習計画を付箋で
計画表を書くよりは、やることを1つずつ付箋に書くほうがいいそうです。
終わったら付箋を動かします。
こうすることで、集中がスムーズに次のことへ向かいます。
完了したことを見える化することで、達成感・満足感・安心感を得ることができます。
保護者の方がやることは、褒めることです。
子どもは本来集中できるもの。邪魔しているものを取り除いてあげればいいのです。
子どものタイプ別~集中力の引き出し方
キョロキョロしがちな子:余計な物を視界に入れない
- 今やりたいことだけを見せる
- ノートの行間をあけて目に飛び込みやすくする
- テキストも2色刷りなど、色を使うことで目の力をうまく使う
すぐにおしゃべりをする子:物音で集中が切れやすい→一人部屋向き
言葉の感覚が鋭い、耳をよく使うこどもです。
- 生活音や家族の声などをシャットアウトする
- 音読や読み聞かせなど、意識的に耳を使うことで集中力や記憶力を高める
もぞもぞ動く子:じっと座っていると集中しにくい→好きな姿勢で
落ち着きがないと言われがちですが、身体の反応が敏感で、身体を動かすことが好きだったり、周囲の雰囲気を察知する力が高い子どもです。
身体を動かすのは、その子なりの集中モード。「じっとしていなさい」といわれると、からだを止める方に集中してしまい、頭を使う方にエネルギーがいかなくなってしまいます。
長時間集中し続けるには?
若手トップ棋士の中村太地七段にききました。長時間の対局に挑む棋士の方でも、やはり集中力がとぎれてしまうそう。
そんなときは、散歩をしたり、運動したり、ぼーっとしたり。
中村七段の集中法
- 立ち上がってリラックスして集中
- 香りアイテムを使う
ハンカチにグレープフルーツの香り、ローズマリーの香りなどをたらして使っています。
ローズマリーには集中力や記憶力をUPさせる作用があるとされています。
雑念が浮かんだ時に香りを取り入れて、集中力を高めているそうです。
中村七段の勉強法
- コロコロ科目を変えて
やる気スイッチが入りやすい、
長期間で見ると何度も学習していることになるので覚えやすい
繰り返しが増えることによって、覚えなおすことができる
- 苦手な科目でも興味をもっているフリで脳をだます
自分で声に出して、「あー面白かった!」ということで、やる気を高めることができます。
保護者はどうやって声かけしたらいい?
苦手な強化に取り組んだら
とにかく褒める!
机に座っただけでも、「お、はじめようとしてるんだ、すごいね。」
テキストを開いただけでも、「読んでいくだけだね。いっしょに読もうか。」
できてる、できてる、やれそう、という気持ちを持たせることが大切です。
即効性!集中力UPのワザ
暑くて、動きたくな~い、やる気が出ない・・・といった悩みを瞬時に解決するのに役立ちそうなワザを教えていただきました。
自分でできる!集中力UPにきくツボ
帝京平成大学の久島達也教授に脳の血流量をあげて、集中力をUPさせるツボを教えていただきました。
そのツボは、前頭切痕。
前頭切痕の探し方
眉毛の内側の生え際の1㎝ぐらい外側にくぼみがあります。眉毛をつまむように、骨の方を少し押すようにすると凸凹とした場所が感じられます。
そこを少し押すと、目の奥にひびくような感じがします。
奥までおさえると眼球を圧迫するので、圧迫しないようにに注意します。
集中力UPのツボの押し方
- 前頭切痕に親指をあてます
- 机がある場合は、肘をつきます
- 頭の重さを親指にかけます
- 15秒、1日2~3回を目安にします
あまり強く押しすぎないように、また、眼球を圧迫しないように注意してください
オノマトペを使って集中力を高める
オノマトペとは、音や声、物事の状態や動きなどを音であらわしたことばのこと。オノマトペを上手に使いこなして、気分をあげることができるというのです。
電気通信大学坂元真樹教授の開発した「オノマトペAI」によると、
★暑くて動きたくなくて、ソファから起き上がれない
そんな時に「よいしょ」はNGだそう。
気分良く立ち上がるには、「やい」、「やあ」の方が機敏に立ち上がれるという分析結果が。
★ケンカをしてイライラしたときには・・・
「イライラ」と口にすると、ますます不快になって集中力がなくなってしまいます。
気分を変えるには、イライラではなく、なんと「きゃぱきゃぱ」!
なんとも不思議な気分になる響きですね。
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