この記事では、「社会」をテーマにした自由研究として「城めぐり」をした体験をもとに、調べ方やまとめるポイントを紹介します。
自由研究というと、実験したり観察したりといった理科のイメージが強いですが、「研究」は理科だけじゃなく、社会もできますね。
小学校3、4年生になると「地域のこと」について学び、5年生では「地理」、6年生で「歴史」を学びます。
「うーん、何を調べようか。」
「そういえば、この辺にはお城がたくさんあるから、行ってみようか?」
お城なら行くだけでどうにかなりそう、と内心ひそかに期待して訪ねてみました。
どこの城を訪ねる?
東海地域には名古屋城、岡崎城をはじめとして、たくさんの城があります。
しかし、残念ながら廃藩置県のときに廃城になってしまったものや戦争で焼けてしまった城など、天守が現存していない城も多くみられます。
東海地域で天守が現存する城といえば、犬山城が有名ですね。
訪れる城を決めるときに子どもがこだわっていたのは、天守が国宝に指定されている城でした。国宝5城とよばれ、姫路城、彦根城、犬山城、松本城、松江城がこれにあたります。
わが家では犬山城は何度も訪れていたので、別の城も見たい!ということで、彦根城を訪れました。
彦根城へはJR東海道線彦根駅から徒歩15分です。
城の調べ方
城を調べるにあたって、何を調べるのかポイントをしぼってみましょう。
彦根城を例にとって、調べ方をまとめてみます。
歴史
400年以上前に建てられた城で、城主は代々、井伊家が務めました。
初代藩主の井伊直政は、関ケ原の戦いで徳川軍の勝利に大いに貢献した人物で、徳川家康の井伊家への信頼は厚かったようです。
家康は西国の見張りのために近江国佐和山に18万石を与えました。
築城当時の時代背景や、人物の相関関係などを調べてみるのも面白いです。
城の形式
城には、山城、平城、平山城があり、彦根城は平山城で、山や丘に作られる戦国時代末期から江戸時代に見られます。
城の工夫
彦根城では、表門から続く一本道の坂があり、これは敵が坂を登りにくい作りになっています。また、桝形に配置された防御施設によって敵を防ぐという強固な作りです。
城の中へ入ると、狭間と呼ばれる鉄砲や矢で攻撃できる穴があります。城の中からは見えますが、外からは漆喰が塗られて見えないようになっています。
また、侵入した敵を突き落とせるように階段が急な傾斜になっていたり、隠し部屋になっていたり、とあちらこちらに工夫が。
外観は、破風とよばれる三角形の飾りが彦根城にはたくさんあります。城を大きく見せるために、たくさんつけたのですね。
彦根城の石垣は牛蒡積みとよばれ、奥行きの長い石を積み上げることによって、石同士の接地する部分が大きくなって崩れにくい構造です。
石垣には野面積み、切込接などいろいろな種類があります。石垣の作りによって城が作られた時代を推測することができるので、石垣を研究するのもいいですね。
彦根城博物館
彦根城には博物館が隣接していて、井伊家に伝わった美術工芸品や古文書が展示されています。精鋭部隊が身に着けたとされる赤備えという武具や甲冑に釘付けになってしまいました。
お城に博物館が隣接していることも多いので、武具や甲冑などを調べてみるのもいいかもしれません。
城めぐりのまとめ方
写真やスケッチを入れる
例えば、狭間について調べるなら、写真やスケッチがあるとわかりやすいです。狭間のほか、登りにくい階段や曲がりくねった入り口などの構造物としての城の工夫にスポットを当ててみてもよいです。
地形に関する考察
歴史的背景だけでなく、地形に関する考察も入れてみてはどうでしょうか。
彦根城は西に琵琶湖、東に山という地形で、このような自然の立地条件が東西の守りにつながっています。
城めぐりをテーマにした自由研究のまとめ
城めぐりは、歴史を感じながら、城の興味深い工夫をあちこちに見ることができます。
レポートをまとめるときは、歴史、城の工夫、城が建てられた地形、武具や甲冑などの研究などいろいろなポイントに焦点を当ててみてください。
実際に行かなくても、図書館には城のことがわかる本がたくさんありますので、研究は十分可能です。
でも、行くともっと楽しいですよ!
もし、彦根城を訪れるなら、ボランティアガイド(有料)を予約してもよいかも。ガイドブックやパンフレットには載っていない、レア情報が聞けるかもしれません。
お腹がすいたら・・・
彦根城からは少し離れますが、スイスという洋食屋さんが有名です。
12時前からお客さんが並ぶ人気店で、ハンバーグやオムライスといった定番メニューがズラリ。どれも安くておいしいので、おススメです。びっしりとつたに覆われた建物が目印ですよ!
※残念ながら、2022年5月に閉店しました。
武家屋敷カフェに行くのもおススメです。
コメント