2020年3月18日放送の「NHKガッテン」では、「火災・食中毒・入れ歯よくぞそこまで!体当たり研究者SP」と題して、私たちの暮らしに役立つ研究のために体を張って新発見を成し遂げた専門家の方々が集結しました。
ホテルニュージャパン火災などの火災事故調査にもかかわってきた火災のスペシャリスト、鈴木弘昭さんにお話を伺います。
いざというときのために用意した消火器、おうちではどこに置いていますか?
実は、台所に消火器を置くのはNG。鈴木先生の献身的な研究から、その理由についてお伝えしていきます。
消火器の置き場所に落とし穴が
住宅火災のは発火源第1位は「こんろ」。火元になりやすいコンロの近くに消火器を置くというのはよくあるパターンですね。
ところが、鈴木先生によると消火器はキッチンに置いてはいけない!とのこと。
研究一筋50年以上の火災学者、鈴木先生のご自宅を見せていただきました。
個人病院だった建物をリフォームして作られたお宅ですが、さすが火災学者の先生のお宅です。
お家のいたるところに消火器と防火戸まで完備。火事になってパニック状態になったときに自分で操作しなくていいように自動化されています。
ところが、1か所だけ消火器の置いていない部屋がありました。
そう、台所です。いちばん火元になりやすい場所なのに、消火器が置いていないのはなぜなんでしょうか。
台所は無人の時に火事になることが多く、火災に気が付いた時には近づけない状態になっていることがあります。
そこで、リビングなど台所の近くの部屋に置いてある消火器を使って、消火するのがよいのです。
コンロの奥などに消火器を置いている人も多いと思いますが、今すぐ移動させましょう。
では、どこに消火器を置いたらいいのでしょうか?
消火器は、リビングなどのいつも目につくところに置くのがベストです。火事の時はパニックになり、とっさにすぐ手に取れる場所にないと慌ててしまいます。
物置などにしまっておいては、いざというときに取り出せなくなってしまいますね。
消火器以外の消火グッズ
消火器のほかにもさまざまな消化グッズが市販されています。
消火スプレー
消火クロス
火災学者鈴木先生の体当たり研究とは?
先生が大切にしているのは、火災に遭った人の気持ちや目線を知ること。
そのために、実際に煙の中に入って煙の温度を調べたり、実験をしていて顔にやけどを負ったこともあるそうです。
つねに、被災者の目線にたって具体的な状況を知ることで、鈴木先生の研究は安心して暮らせる住宅づくりに活かされているんですね。
火災報知器は階段室の天井にも
火災報知器は2006年から設置が義務付けられています。寝室や寝室がある階の階段に設置することになっています。このほかに、各自治体によって設置基準が決められていますので、ご確認ください。
2階建て以上の家にお住まいの方に鈴木先生がおススメしている設置場所が、「階段室の天井」です。
1階が火元の火事の場合、2階にいると1階が火の海になっているのに気づかないことがあるのです。そのために逃げ遅れてしまう危険があるとのこと。
階段室に火災警報器があれば、2階にいても火災に早く気づいて、逃げることができるのです。
消火器はその置き方で大丈夫?火災学者の提言まとめ
いざというときの備えをすることは大切ですが、実際に火事に遭遇した時のことも考えておかないといけないですね。
ただ消火器を買っておいておくだけでは、役に立ちません。
火元から逃げることを考えて、消火活動ができる場所に消火グッズを置いておくことが重要です。
そのほかの「火災・食中毒・入れ歯よくぞそこまで!体当たり研究者SP」はこちら
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